香りの効果
香りと私たちの関係、香りは2通りの方法で私達に影響を及ぼします。
1.香りの電気信号
2.呼吸することにより微量の成分が入る。
呼吸することにより、薬理作用の成分が体内に入ることもあるでしょうが、それより「香りを感じる」ことが効果的です。
香りを感じると身体の反応は?
1.香りの電気信号
ざっくりの説明ですが、香りの刺激が電気的信号(神経インパルス)となって嗅神経により伝達され、嗅球、嗅索を経て大脳辺縁系に達し、脳幹の視床と視床下部を経て嗅覚野に入ります。
大脳辺縁系は、快、不快、恐怖などの情動反応をおこす偏桃体、記憶の中枢海馬があります。視床下部では自律神経系の交感神経や副交感神経に指令を与え、内分泌系の中枢である下垂体も支配しています。
例えば、それまで怒って交感神経優位で夜も眠れなかったのに、好きなオレンジの香りを嗅いだら、肩の力が抜けて知らないうちに眠っていた。肩の力が抜けた時は、子供の頃家族団らんでみかんを食べていた時のような安らぎを感じた。
この場合は、好きな香り=快ちよい情動の反応です。
一見、目が覚めそうな薄荷でも、その人が心地よい、安らぐ香りと思えば、同じ反応が起こります。
香原料の薬理成分云々ということではありません。
私たちが、’落ち着く香り’と感じれば、自然と身体もそれに順応しているのです。
逆に、嫌な人が身につけている香りを嗅ぐと、交感神経優位、戦闘モードになり、身体に緊張が走ります。
生活に上手く取り入れていきたいですね。
2.呼吸する事で取り入れる。
私達が、お香の香りを呼吸とともに吸い込むと、微量の成分は鼻から肺に達し、肺胞からわずかながら身体に取り入れられます。
aromatherapyであれば、アロマトリートメントで、希釈したオイルを皮膚に塗ることにより、角質から真皮層、血管、リンパ管と成分が入りますし、ハーブティー、食べ物であれば、直接口から粘膜、胃、消化器官へ進み吸収されます。
それらに比べたら微量ですが、全く入らないわけではありません。
私自身、お香づくりで天然の原料に囲まれていると、冷えとは無縁のなっています。
それは、丁子や桂皮、大茴香など中薬でいう「温裏薬」臓腑を温め冷えの症状を改善する効能のある原料の香りを日常的に使っているからかもしれません。
また、同じく中薬でいう「行気薬」といわれる気の巡りをよくし、整える効能がある沈香、白檀、甘松、木香。
昔から、白檀や沈香の薫りを聞くと、心が落ち着く、感覚が研ぎ澄まされると言われています。
それが、1の電気信号によるものか、2の成分によるものなのか、区別はされてはおりません。
ただ、薔薇の香りが好きでも、薔薇の合成香料を嗅いでいたら頭が痛くなってきたというような場合、
それは、2の成分が体内に入っての作用だと思われます。
白檀の薫りが嫌いと仰ってクラスに来られた方も、本物の白檀の薫りを嗅いだら印象がまるっきり違ったと仰っていました。
せっかく好きな香りなのに、身体が反対の反応をするのは残念ですよね。
できるなら、心と身体を同じ反応にしたいものです。
お香インストラクター講座、来年3月開講予定です。
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