女重宝記にみるお香の調合
女重宝記とは
江戸時代 1847年弘化4年 髙井蘭山が玉巌堂から出版した当世の嗜み本のようなものです。
内容は多岐にわたり、身分による身だしなみや大和言葉、季節による着物の種類、妊娠期と出産期の事、折型等様々な中に、お香に関する記述もあります。
この本は現代語訳の文庫本がありますが、現在は絶版なので中古を探すか、データベースで古典を読むことができます。
女重宝記に記載されるお香について
伽羅の名香の種類や十種香の聞き方、薫物(練香)の調合は仙人薫物、黒方が記載されています。
掛香の名香調合も複数あります。
例えば、有る調合では、龍脳、麝香、丁子、甘松、白檀の量が記載されていて、これはすぐ作れそうですね。
麝香、龍脳、菊花という風情あるものや、
また、伽羅、白檀、甘松、龍脳の調合も。
当時、香原料が簡単に手に入ったかはわかりかねる処ですが、作ることも可能だったのでしょう。
人々によりそっていた香り。
日本人にとって、お香は普遍的なものです。
売り物の調合は秘密(現在も食べ物でも香りでも同様)でも、普通に楽しめるように公開もされていたのですね。
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