奈良の鹿角でできた塗香容れ
こんにちは。
早々にかぶせ茶のご注文もありがとうございます。
錦苑さんの紹介文を読んでとても感動しましたと、仰って下さる方もいらっしゃったり、滋養がありそうとご興味をお持ち頂きました。
とても嬉しいです。
どんなものでも手に入る時代です。
考え方に共感できる、とか、そういう思いで作られたものを味わいたい、と顔の見える繋がりというのが、大切だと感じています。
既に知らない人ではなく自分の世界の人になりますよね。
それが安心に繋がったり、心地よかったり。
奈良公園の鹿の角でできた塗香容れ
そういう顔の見える作品が手元にあったら、使う度に製作者さんを思い浮かべ、心が豊かになります。
今日は、奈良公園の鹿の角でできた塗香容れをご紹介します。
こちらの製作者は奈良の萬谷歓峰さん。
奈良の筆管師の家に生まれ、筆や矢立など、書道具や文房具をつくられていらっしゃいます。
美の壺にも数回ご出演なさっています。
昨年新宿京王デパートでも作品展がありました。
茶心香心堂ではその前年初めてお会いしたのですが、既に10年以上前から白檀の塗香容れなど取り扱いをさせて頂いていました。
竹だけでなく他の木々、香木では沈香や白檀。
簡単には購入できないけれど、とても素晴らしく美しい、きっと彼以外作れない世界だと感じました。
動物のものでは、セイウチの牙の自然のかたちを活かした香合をつくられたり。展示会は大変見ごたえのあるものでした。
正倉院の宝物の筆を復元されていらっしゃったり、笙の竹を張っている部分も担当され、展示されていらっしゃいました。
これは、自然に抜けた鹿の角で作られています。
奈良の鹿は神様の使い
奈良の鹿は、春日大社の社伝によると、768年平城京鎮護のため、鹿島神宮(茨城県)の武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、白鹿の背に乗り御蓋山(みかさやま)に奉遷されたという伝説により、奈良のシカを「神鹿(しんろく)」として神聖視し、神様の使いとされているそうです。 *「一般財団法人 奈良の鹿愛護会」様からの抜粋
神様のお使いの角。
まさに、一生モノですね。
象牙は素敵かもしれないけれど(両親は象牙の夫婦箸も使っていたし)、輸入禁止と言う前に、密猟、動物を殺めるというところで、私は納得がいっていないのです。
鹿が成長で抜け落ちた角を人間が使わせて頂くというのが、関係性として調和しているというのか、丁度いいかなと思っています。
50年以上前に奈良公園で、鹿の角でできたバンビのペンダントを未だに持っているのですが、色が少し黄色というのか飴色になって柔らかい色になりました。って、最初の白さは流石に記憶にないのですが。
色の変化、経過もより愛着を持てる要因になりますね。
ご興味をお持ちの方はご連絡下さいませ。
ご自身の作った塗香を容れて、持ち歩く。
お香作り講座も承っております。
お読み下さり、ありがとうございました。
寒いので、温かくしてお過ごし下さいね。
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