香らなくなった匂い袋は?Part2 燃やして
さて、今月大勢の方に訶梨勒(訶梨勒の実を容れた部屋香)作りを行いました。
「一年前に作った訶梨勒、まだしっかり香りが残っています」と生徒さんに仰って頂いて嬉しかったです。
「二年前のは微かに香りが残っていますが、捨てるのは勿体ないしどうしたらいいですか」と訊ねられます。
そこで、以前にもコラム「香らなくなった匂い袋は?」で、簡単に書いた焼香のこと。
今回は、しっかりご紹介します。
天然香原料を燃やして愉しむ
お焼香と匂い袋の中身は同じ「刻み(きざみ)」という大きさの香原料です。
お焼香は燃やした薫り、
匂い袋は常温の香り、
香原料は温度によって、香りが異なるので、匂い袋の中身を燃やしても匂い袋と同じ香りにはなりません。
それを認識しつつ、燃やしてみると、桂皮や白檀、丁子などはしっかり薫り、それなりの薫りを愉しむことができます。
残念ながら、市販の香原料では紙に合成香料をしみ込ませているものもあるので、この燃やす方法ができないものもあります。
目次
燃やし方 その1 お炭の上で
お焼香の場合は、薫りよりも煙が大事なので、火の熾きてるお炭の上に一つまみおくと、一瞬に燃えます。天然香原料は800度の温度で一瞬に薫りはとんでしまいますし、煙がたち過ぎます。
そこで、ミニ香炭(誠寿堂さんの薄いお炭)に火をつけます。
その炭の上に、匂い袋から出したお香をひとならべ、線状に置いていきます。 (封筒の角を小さく切って、そこからお香をだしていくと便利です)
今回は、灰の上にも少しお香を置いてみました。
燃やすだけではなく、薫物の様に温めた温度で薫りが出てくることを期待して。
炭が徐々に燃えていくのと同時、ゆっくり薫りがたってきます。
煙の量もすくなく、まるでお香が燃えていくような感じです。
最後はこんな感じ。
その2 時香盤のように
お炭の上に置くのではなく、直接火をつける場合
お香原料だけでは、最初火が点いても、燃え続けません。
燃え続けさせるには、椨粉を混ぜる必要があります。
すると椨粉を伝って燃え続けてくれます。
ゆっくりと煙を見ているのも癒されますね。
合成香料の強い香りのお香が多い中、
静かに、天然原料である老山白檀や丁子、桂皮、上安息香が燃えていきます。
慌ただしい毎日の中で、何も考えない。
自分に向き合う上質な時間は、沢山の気づきを与えてくれます。
自分だけの時間。
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