香司 独学できるの?
香司・お香づくりの専門家になる勉強ってなんでしょう?
お香原料の知識、
お香の歴史、
お香の種類、それらは本を読めばわかりますよね。
お香の作り方?
調合の手順?
それも、定期講座に通っていれば、一通りわかることでしょう。
目次
自分のつくる香りって自信ありますか?
でも、一番大切なこと。
自分がよいと思って作った香りが、お香の世界で通用する香りかどうか、自信ありますか?
例えば、甘い香りの練香として作れていても、その甘さが和の練香として成功しているか。
「この香り好き」と言われると好きなだけ?と不安になったり。
目に見えるものであれば、そのお手本通りに行うことはできます。
でも、香りは目に見えない。
だから、和の薫り講座などで、受講生さんは作り上げたお香をお持ちになり「先生この香り、どうですか?」と尋ねられます。
目に見えない羅針盤をつくれるか
自分の中で、その香りがどうか、不足はないか、偏ってないか、雑味はないか、 それらをチェックできる。
そして、適正な(表現が難しい)佳い薫りを作れる、羅針盤を自分の中で作り、育てること。
それができるのが、香司養成講座だと私は解釈し、講座で指導しています。
たまたま佳い薫りができただけではなく。
独学だと、その羅針盤がどこを指しているのかがわからないのではないでしょうか。
通信教育でも、同じだと思います。
先日、受講生に、「訶梨勒になんであんなに甘松が多かったのですか?訶梨勒はすっきりではないのでしょうか。」
と尋ねられましたが、
バランスの問題です。〇〇だから少なくてはならないとか、多いという問題ではない。
自分の中の羅針盤が育っていれば、全体の香りを聞いてわかるようになります。
香司になって仕事をしたい。
香司になったら、薫物屋香楽は仕事をすることを望まれていますか?と質問されたこともあります。
とりあえず仕事云々はおいておいて、
その羅針盤ができて、自分が作ったお香の薫りが皆に佳いと言ってもらえる(自分も100%満足できる)状態になる。
それが、楽しいし、作る自信にもなる。
それだけでも、香司養成講座を受けた甲斐があると思います。
その後、仕事にしたければすればよいし、しなくてもよい。
でも、作れるようになると、他人にこのすばらしさを分かち合いとも思うことでしょう。
目に見えない羅針盤が自分の中にあることが、絶対的な自信になり、お香の世界だけでなくても自分への信頼度が上がることでしょう。
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